競輪 リンク集
競輪(けいりん)とは、自転車競技法という特別法に基き指定された自治体が自転車競走を開催、この結果を賭けの対象としてパリミュチュエル方式により勝者投票券(車券)を販売する公営競技(公営ギャンブル)の一つであり、日本(北九州市)を発祥の地とするギャンブルである。
開催者となる自治体は所管省庁の経済産業省へ競走の開催を届け出ると、競輪選手と呼ばれるプロの選手達と「競輪場」と呼ばれる自転車競技場における競走出場に関する契約を交わす。また、実際の自転車競走の運営については競輪場の存在する各地域の日本自転車競技会支部へ委託している。審判および番組編成・選手管理・検車の4つの業務を管掌する自転車競技会への指導、また競輪選手の登録・斡旋、育成については中央団体である財団法人JKAが行っている(経済産業省はJKAを通して競輪選手、競技会、施行者などの監督指導を行う) 。
日本のプロスポーツでは選手数が最も多い競技とされ、およそ3500人(2010年3月末現在で3460人)より構成される。また初期には女性選手による「女子競輪」が1964年まで開催されたこともあった。
創設以来、日本独自のものであったが、現在は日本側による技術指導の下、韓国独自の施行者が国内3つの競輪場で開催している。
競輪で用いられる自転車は、「ピスト(レーサー)」と呼ばれる専用の競技用自転車であり、競輪の関係法令においては『競走車』と呼称される。この自転車はJKA規格(日本自転車振興会時代はNJS規格)に適合する部品により製作されることが義務づけられており、なおかつ組み立て後の車体検査に合格しないとレースに使用することができない。
車体となるフレームはクロムモリブデン鋼のパイプ(鋼管)を素材とした「クロモリフレーム」と呼ばれるもので、使用者の体格に合わせて完全オーダーメイドで製作されたものである。車輪は金属スポークおよびリムにより構成されており、タイヤは大きさ675mm(26.5インチ相当)のチューブラー(チューブ一体型)タイヤを使用するが、コースコンディションや脚質による選択は出来ない。ハンドル・サドル・クランク・ペダル・ギア・チェーンなどの部品は規格に基づいて製作されたもの中から選択して使用する。特にギアは空回りのない固定ギアで、クランク側と後輪ハブ側のスプロケットの歯数を選手が自分で判断し交換する(下記に詳細)。ブレーキは装着していない。
競輪用の自転車は、ここ十数年ほど、ほとんど規格や素材が変更されないまま現在まで用いられている。おおむね半世紀前のピストレーサーといって良く、現在他のトラックレースで用いられるピスト競技用車とは大きな性能差がある。これは公営競技としての公正さが念頭にあることが大きいが、他にも規格緩和による部品代高騰の抑制、横方向への移動における操縦安定性の維持、落車事故時における衝撃吸収性など様々な要因も絡んでいる。なお部品によってはタイヤ(SOYO=ダイワボウプログレス)やリム(新家工業)など製造数や品質などの観点から事実上のワンメイクとなっているものもある。またフレームだけで10数万円以上の製作費が必要となるが、その他の部品は自転車における制限が存在するため、車体総額で50万円を超える事は稀である。
ちなみに競輪創生期は実用車、軽快車、タンデム式の自転車でも競走が行われた。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』